看護師転職は、求人を探す前に希望条件を一枚へまとめるところから始めます。条件を、満たさなければ応募しない「必須」、幅を持たせられる「許容」、求人情報だけでは分からない「確認」へ分けてください。抽象的な希望を検索できる条件と質問へ変えれば、求人の多さや印象に流されず最初の検索を始められます。
変えたい理由を検索できる条件へ置き換える
最初に、現在の働き方で何を変えたいのかを、起きている事実に沿って書きます。「もっと働きやすい職場」のような評価だけでは、求人検索の項目を選べません。負担になっている業務や時間、通勤、契約など、変更したい対象を特定します。
理由が書けたら、次の項目へ置き換えます。
- 担当したい業務と看護領域
- 希望する施設形態と避けたい業務
- 勤務地、通勤方法、許容できる通勤範囲
- 雇用期間の定めと希望する契約
- 週の勤務日数、始業・終業、休憩
- 夜勤やオンコールの可否と許容範囲
- 基本給と手当を含む総支給額の希望
- 入職を希望する時期
夜勤の負担を変えたい場合も、すぐに「夜勤なし」という検索条件へ固定するとは限りません。勤務を続けにくい理由が、回数、終了時刻、勤務の並び方、オンコールのいずれにあるのかを分けます。自分が継続できる範囲を言葉にすると、検索で絞る条件と、応募前に聞くことが見えてきます。
希望を必須・許容・確認へ分ける
同じ希望でも、生活や就業継続への影響は人によって異なります。条件の数や優先順位に万人共通の正解はありません。自分にとって外せない理由があるかを基準に、三つの区分へ移します。
必須には外せない理由を添える
必須は、満たさなければ応募しない条件です。条件名だけでなく、なぜ外せないのかを一文で書きます。健康、家庭、通勤、継続できる勤務時間などに具体的な支障があるなら、その支障を判断の根拠にします。
理由が言葉にならない条件は、単に希望の優先度が高いだけかもしれません。必須へ残す前に、その条件を外したとき何が続けられなくなるのかを問い直します。個人的な事情を求人先へすべて開示する必要はありませんが、自分の判断用メモでは理由を曖昧にしないことが大切です。
許容は広げられる範囲を決める
許容には、希望どおりでなくても一定の範囲なら検討できる条件を置きます。「相談できればよい」で終わらせず、どこまでなら継続できるかを先に決めます。
勤務地なら通勤できる範囲、勤務時間なら開始・終了の範囲、夜勤なら担当できる条件というように、検索結果を見てから都合よく変えない基準を作ります。まだ幅を決められない項目は、無理に許容へ入れず確認へ移してください。
確認は応募前に尋ねる質問へ変える
確認には、求人情報だけでは判断できない条件を置きます。職場の実際の運用や、配属先によって変わる内容を、自分の推測で必須または許容へ振り分けません。
「残業が少ないか」ではなく「配属予定部署では、どの業務で所定時間を超える勤務が生じるか」のように、知りたい条件を質問文へします。教育体制、夜勤やオンコールの決め方、勤務日の相談方法なども、回答を得たら必須・許容と照合できる聞き方にします。
必須条件が多いときは理由から絞る
すべての希望を必須にすると、検索結果が少なくなった理由を判断できません。必須条件を一つずつ見直し、その条件を外すと生活や就業継続に支障があるのか、希望として優先したいのかを分けます。
外せない理由が明確なものは必須へ残します。希望として重視したいものは許容へ移し、求人ごとに判断したいものは確認へ移します。採用されやすくするために必須を外すのではなく、自分が続けられる条件と、選択肢を比べる条件を混同しないための整理です。
賃金も金額だけで必須にせず、家計上必要な総支給額か、夜勤など変動する手当を含めた希望かを分けます。給与額や採用の可能性は個別求人と選考によって異なるため、条件票を作れば実現が保証されるわけではありません。
候補が少ないときは許容範囲を一つずつ広げる
最初の検索では、必須条件だけを入力します。候補が少ない場合は、許容へ置いた条件のうち一つだけ範囲を広げ、検索結果がどう変わったかを確認します。複数の条件を同時に変えると、どの変更で候補が増えたのか分からなくなるからです。
検索結果が増えても、必須条件を満たさない求人を候補へ入れる必要はありません。反対に、候補が多すぎる場合は、許容条件の中から比較に使う項目を加えます。検索のたびに動かした条件を条件票へ記録すると、最初の目的から離れていないかを確認できます。
求人に条件の記載がない場合は、不利な条件だとも、希望どおりだとも決めません。「確認」の質問へ移し、応募前に回答を得てから候補に残すかを判断します。求人票の細かな読み方や採用時の書面確認は次の段階で行い、ここでは検索条件と質問を準備するところまでにとどめます。
一枚の条件票から最初の検索を始める
条件票の最後に、転職で変えたい理由、必須、許容、確認の欄を置きます。必須と許容には検索へ入力できる言葉を使い、確認には応募先へそのまま聞ける質問を書きます。入職希望時期は条件として記録し、退職や応募の日程を組む作業とは分けてください。
まず一枚の条件票へ、業務、施設、勤務地、契約、勤務時間、夜勤・オンコール、賃金、入職希望時期を書き出します。必須だけで求人を検索し、候補が少なければ許容を一つずつ広げ、空欄は確認質問へ移してください。この一枚を手元に置いて最初の検索を始められれば、転職準備の最初の作業は完了です。