常勤・非常勤・夜勤専従は、同じ基準で分かれた三つの選択肢ではありません。常勤・非常勤は、求人媒体や勤務先によって契約期間や所定労働時間など異なる内容を示す呼称です。夜勤専従は主に勤務する時間帯を示します。名称だけで選ばず、契約期間、週の所定労働時間・日数、勤務時間帯の三軸へ分けて比べます。
三つの呼称を契約・時間・勤務帯へ分ける
求人の働き方を読み始めるときは、呼称の違いより先に、その名称が何を示しているかを確かめます。常勤と書かれていても契約期間や勤務時間が省略されていれば、働き方は確定しません。非常勤や夜勤専従も同じです。
確認する一つ目の軸は、期間の定めがない契約か、期間の定めがある契約かです。二つ目は、週に働く所定時間と日数です。三つ目は、日勤・夜勤など勤務する時間帯です。この三軸を別々に埋めると、異なる呼称の求人も同じ条件で比べられます。
求人媒体の区分を全職場共通の定義にしない
中央ナースセンターのeナースセンター求人登録ガイドでは、常勤を期間の定めのない雇用、非常勤を期間の定めがある一か月以上の雇用として区分し、夜勤のみは勤務形態として別に選択します。これはeナースセンターで求人情報を登録するための区分であり、すべての求人媒体や勤務先に共通する定義ではありません。
一方、厚生労働省が示す短時間労働者は、同じ事業所の通常の労働者より週の所定労働時間が短い労働者です。呼称ではなく所定労働時間で確認するため、「非常勤」と書かれているだけで短時間労働者だとは判断できません。
常勤・非常勤は最初に契約期間を確かめる
常勤と非常勤を比較するときは、まず雇用期間の定めを見ます。期間の定めがないのか、開始日と終了日があるのかを確認してください。有期契約であれば、契約を更新する可能性だけでなく、更新を判断する基準と更新回数・通算契約期間の上限も確認します。
常勤という表示だけで無期契約だと決めたり、非常勤という表示だけで有期契約だと決めたりしません。求人票の契約期間欄と労働条件を読み、記載が一致しない場合は応募前に質問します。
契約期間は、勤務時間帯とは別の条件です。夜勤専従と書かれた求人でも、契約期間の定めがあるかどうかは個別に確かめる必要があります。
週の所定時間と日数で実際の勤務量を読む
二つ目の軸では、週の所定労働時間と所定労働日数を確認します。非常勤という名称から、勤務が必ず短時間または少日数だとは考えません。始業・終業時刻、一回の勤務時間、週の勤務日数を求人票から拾います。
勤務日を相談できると書かれている場合も、希望どおりになると確定したわけではありません。固定曜日かシフト制か、希望をいつ申し出るか、勤務日数や時間を変更する場合にどのような手続きがあるかを確認します。
所定時間と、時間外勤務を含む実際の拘束時間も分けて考えます。更衣、申し送り、記録などが勤務のどこに置かれるか分からなければ、働き始める時刻と職場を出られる時刻を質問してください。
夜勤専従は時間帯と支援体制を求人ごとに確認する
夜勤専従は、夜間を中心に勤務することを示す呼称ですが、具体的な始業・終業、休憩、勤務回数、契約期間まで共通に決める名称ではありません。二交代・三交代という表示だけでも、自分に適用される勤務時間は確定しません。
求人ごとに、夜勤の始業・終業、休憩と仮眠の扱い、勤務回数の決め方、勤務する看護職や他職種の配置、急変時の連絡と支援を確認します。入職後すぐ単独で夜勤を担当するのか、日勤や同行を含む準備があるのかも教育体制として質問します。
深夜労働に当たる時間帯は、原則として午後10時から午前5時までで、法定の割増賃金があります。ただし、求人に書かれた夜勤手当の名称や額、総支給額にどの項目が含まれるかは勤務先ごとに異なります。基本となる賃金と夜勤手当の計算方法に加え、深夜割増が夜勤手当に含まれるのか、別に計算されるのかを確認し、表示された金額だけから内訳を推測しません。
収入だけでなく生活を続けられる勤務かを考える
働き方は、毎月の収入見込みだけで決めるものではありません。勤務の開始・終了時刻、通勤、睡眠、勤務後の回復、家庭で必要な時間を一つの流れとして見て、同じ勤務を継続できるかを考えます。
夜勤専従が自分に向くかどうかを、名称や他人の体験だけで決めることはできません。勤務回数の相談範囲、連続する勤務の組み方、勤務表が決まる時期を確認し、自分の生活で守る必要がある時間と照合します。
常勤または非常勤を選ぶ場合も、契約の安定性や勤務の柔軟性を呼称だけで評価しません。契約期間と更新、所定時間と日数、勤務時間帯の三軸が、自分の優先条件に合うかで判断します。
候補求人から三軸を転記して不明点を質問する
候補を比べる前に、各求人から三軸をそのまま転記します。空欄や曖昧な記載を自分で補わず、採用担当者へ確認する質問に変えてください。
- 契約期間について、無期・有期の別と、有期の場合の更新基準・上限を転記します。
- 週の所定労働時間と日数について、始業・終業、勤務日数、勤務日の決め方を転記します。
- 勤務時間帯について、日勤・夜勤の別と、夜勤がある場合の休憩、回数、配置、賃金内訳を転記します。
まず一つの求人を開き、常勤・非常勤・夜勤専従という名称を脇に置いて三軸を埋めます。分からない項目は、応募前の問い合わせや面接で確認してください。回答を記録し、採用時に示される労働条件でも同じ項目を照合すれば、自分が続けられる働き方かを判断できます。